コンクール・オーディションに参加する皆さまへ

こんにちは。のだみピアノ教室の野田知美です。

コンクールやオーディションへの参加を考えている生徒さん、そして保護者の皆さまへ、私からお伝えしたいことをまとめました。

私自身、幼い頃から数多くのコンクールやオーディションに挑戦してきました。

振り返ると、演奏について学ぶ機会はたくさんありましたが、参加する上での心構えやマナー、指導してくださる先生との関わり方については、誰かが丁寧に教えてくれるわけではありませんでした。

そのため、今思えば失礼なことをしてしまったり、もっとこうすれば良かったと反省したりした経験もたくさんあります。

だからこそ、これから挑戦する皆さんには、私がこれまでの経験の中で学んできたことをお伝えしたいと思いました。

ここに書かれている内容は、のだみピアノ教室だけの特別なルールではありません。地域や先生によって多少の違いはあるかもしれませんが、ピアノを学ぶ生徒さんや保護者の皆さまにとって知っておいていただきたい大切な考え方です。

すべてを完璧に実践しなければならないというものではありませんが、皆さんの挑戦がより実りあるものになるよう、ぜひ参考にしていただければ幸いです。


第一条 コンクール・オーディションに参加する意義

1.より高いレベルの環境に身を置き、視野を広げるため

コンクールやオーディションは、賞や役を獲得することだけが目的ではありません。
日頃から熱心に努力を重ねている参加者が集まる場に身を置くことで、自分とは異なる考え方や表現に触れ、多くの刺激を受けることができます。

コンクールでは、課題曲を弾けることは出発点であり、その上で音楽性や完成度が評価されます。参加者それぞれの環境や事情ではなく、その日の演奏そのものが審査対象となります。
また、オーディションでは演奏力だけでなく、学校や主催者側の事情が考慮される場合もあります。

結果だけを見るのではなく、そのような場に挑戦すること自体に大きな価値があると私は考えています。

2.努力を積み重ねる経験をするため

コンクールやオーディションの本当の価値は、本番当日だけではなく、そこへ向かう過程にあります。

毎日の練習を積み重ね、先生と相談しながら作品を深めていく経験は、音楽的な成長だけでなく、人としての成長にもつながります。
もちろん賞をいただければ嬉しいことですが、「賞が取れなければ意味がない」というものではありません。
緊張感のある舞台で、自分なりに納得できる演奏ができたなら、それも立派な成果です。

また、「勝てそうな場には出たいけれど、難しそうな場には挑戦したくない」と考える人もいます。
しかし、成長はいつも少し背伸びをした先にあります。

技術的に挑戦できる段階かどうかは指導者が判断しますので、生徒の皆さんには結果を恐れず挑戦する姿勢を大切にしてほしいと思います。

3.精神的な成長につながるため

演奏は時間芸術です。
どれほど練習を重ねても、本番で演奏できるのは一度きりです。
緊張の中でも集中力を保ち、自分の力を発揮する経験は、将来どのような道へ進んだとしても必ず役立つ財産になります。
コンクールやオーディションは、演奏技術を磨くだけでなく、自分自身と向き合う力や精神的な強さを育ててくれる機会でもあります。


第二条 生徒さん・保護者の皆さまに共通してお願いしたいこと

1.申し込み前に必ず指導者へご相談ください

コンクールやオーディションへの参加は、普段のレッスン内容や練習計画に大きく関わります。

課題曲の難易度や本番までの期間、その時点での成長段階などを総合的に考えながら判断する必要がありますので、申し込み前に必ずご相談ください。

また、校内・校外を問わず、保護者の方からご連絡いただくようお願いいたします

これは礼儀のためだけではなく、日程や規定などを正確に共有し、より良いサポートを行うためでもあります。

2.学校伴奏オーディションでは、指導者用の楽譜をご用意ください

学校で使用される合唱曲は毎年新しい作品が発表されるため、指導者が初めて目にする曲であることも少なくありません。

そのため、レッスンをご希望の場合は、先生用の楽譜(コピー譜。ページ数によっては製本したもの)もご用意いただけますと大変助かります。

これは単にレッスンを円滑に進めるためだけではなく、「教わるための準備をする」という姿勢を育むためでもあります。

小さなことですが、自ら学ぶための行動を積み重ねることは、音楽に限らずさまざまな場面で大切な力になると考えています。なお、著作権の決まりに従い、お預かりしたコピー譜はその生徒さんのレッスンのためにのみ使用し、使い回しは行っておりません。

3.課題曲の楽譜はご購入をお願いいたします

コンクール課題曲は、曲集の一曲として収録されていることが多くあります。
コピー譜を第三者が使用することは著作権上認められていないため、原則として各ご家庭でご購入をお願いいたします。
楽譜は単なる紙ではなく、作曲家や出版社の大切な著作物です。
音楽を学ぶ者として、作品への敬意も大切にしていきたいと思います。

4.規定や日程はご家庭で主体的に把握してください

コンクールやオーディションの規定は毎年変更される場合があります。
主催者からの連絡は参加者本人や保護者のみに届くことがほとんどです。
そのため、規定・申し込み・締切・当日の流れについてなどは、ご家庭で責任を持って確認をお願いいたします

また、小学生であっても、本番の日程を把握し取り組むことは大切な学びの一つです

5.複数の先生に師事している場合(該当する方のみ)

音高・音大を目指す場合などでは、複数の先生にご指導をいただくことが多いです。
その場合は、師弟間の信頼関係が大変重要となるため申込書にどなたのお名前を記載するかについても配慮が必要です

状況によって異なるため一概には言えませんが、主にご指導いただいている先生のお名前を記載するのが一般的です。
迷われた場合は、事前にご相談ください。

6.指導者への感謝の気持ちを大切に

コンクールやオーディションに向けた指導は、通常レッスンに加え、作品研究や指導準備など多くの時間を必要とします。
多くの先生方は、生徒さんの成長を願いながら熱心に向き合ってくださっています。
そのことへの感謝の気持ちは、ぜひ忘れずにいてください。

また、多くのコンクールでは指導者名を記入する欄があります。
それは、演奏が生徒さん一人の力だけで成り立っているわけではないという意味でもあります

また、本番当日に指導者が演奏を聴きに来てくださることもあります

指導者にもレッスンや本番、家庭の予定などがあり、必ずしもすべての本番に立ち会えるわけではありません。
しかし、先生方が時間を作って会場へ足を運ばれるのは、生徒さんの挑戦を応援したいという思いがあるからです。
一方で、都合が合わず来場できない場合でも、先生方は皆さんの本番を気にかけ、応援しています。

そのような機会に恵まれた際は、ぜひ感謝の気持ちを持っていただければと思います。

7.本番後は結果に関わらずご報告をお願いいたします

コンクールやオーディションが終了しましたら、できるだけ当日中にご報告をしましょう。
結果だけでなく、
・本番で感じたこと
・うまくいったこと
・今後の課題だと感じたこと
なども併せて共有していただけると、その後のレッスンに生かすことができます。

結果発表が後日の場合も、まずは本番を終えたご報告をお願いいたします。
その後、結果が出た際は改めてご報告しましょう。

指導者は本番の舞台に立つことはできませんが、生徒さんが本番を迎えるまで一緒に準備を重ねてきた立場です。そのため当日は、「力を発揮できただろうか」「どんな演奏だっただろうか」と気にかけています。

そのような中で当日中にいただくご報告は、結果の良し悪しに関わらず、指導者にとって大変嬉しいものです。
また、日頃の指導に対する感謝や敬意を伝える機会にもなります。

また、講評用紙審査結果賞状などを受け取った場合は、まずはお写真でも良いので指導者に共有し、後日のレッスンで実物を持参し報告しましょう。

コンクールやオーディションは、本番が終わったら終わりではありません。
本番を振り返り、次の学びにつなげるところまでが大切な経験だと考えています。


第三条 本人の心構え

コンクールやオーディションは、誰かと競うためだけのものではありません。
もちろん結果が出れば嬉しいですし、評価をいただければ自信にもなります。
しかし、それ以上に大切なのは、本番に向けて努力を積み重ねること、そしてその経験を通して成長することです。

ここでは、挑戦する生徒の皆さんに大切にしてほしいことをお伝えします。

1. 本番までは貪欲に「もっと良い演奏」を目指そう

レッスンで先生から言われたことをできるようにすることは、とても大切です。
しかし、本当に素晴らしい演奏は、それだけでは生まれません。

「もっとこう弾きたい」
「もっとこの曲を理解したい」

という探究心を持ちながら、自分なりの表現を追求していきましょう。

音楽に正解は一つではありません。
だからこそ、自分自身で考え、工夫し続ける姿勢が大切です。

2. 本番では結果ではなく演奏に集中しよう

本番の日は、賞や順位のことばかり考えないようにしましょう
結果は自分でコントロールできるものではありません
しかし、自分の演奏に集中することはできます

「賞を取りたい」ではなく、

今まで積み重ねてきたものをしっかり表現しよう

という気持ちで舞台に立ってください。

結果は後からついてくるものです。

3. 賞をいただいた時こそ謙虚な気持ちを忘れない

賞をいただくことは素晴らしいことです。
努力が認められた証でもあります。
しかし、それは決して一人の力だけで得られたものではありません
支えてくれた家族、指導してくださった先生方、そして音楽を学べる環境があってこその結果です。
感謝の気持ちを忘れず、次の学びにつなげていきましょう。

4. 他の人を気にしすぎない

コンクールには素晴らしい演奏をする人がたくさんいます。
それは不安になることではなく、学ぶ機会です。
演奏前に周囲と自分を比べすぎると、本来向けるべき集中力が散ってしまいます。

上手な人を見つけたら、

「すごいな」

で終わるのではなく、

「どんなところが素敵だったのだろう」

と考えてみてください。
他人と比較するのではなく、自分自身の成長につなげていきましょう。

5. コンクールは自分を成長させるためのもの

コンクールやオーディションは、結果だけを求める場ではありません。
挑戦することで見えてくる課題や、自分の弱さと向き合う経験も大切な学びです。
思うような結果にならなかったとしても、その経験が無駄になることはありません。
結果だけではなく、そこから何を学ぶかを大切にしてください。

6. 思い通りにいかなかった時こそ学びのチャンス

本番では予想外のことが起こることもあります。
緊張したり、いつも通りに弾けなかったり、悔しい思いをしたりすることもあるでしょう。
そんな時こそ、

「次はどうすればもっと良くなるだろう」

と考えることが大切です。

演奏の世界では、誰もが成功と失敗を繰り返しながら成長していきます
一つの結果だけで自分の価値が決まるわけではありません。

7. 他の参加者の演奏から学ぼう

コンクールには、たくさんの素晴らしい演奏との出会いがあります。
ぜひ自分以外の参加者の演奏にも耳を傾けてみてください。
演奏表現に正解はありません。

だからこそ、

「私はこう感じた」
「私はこう弾いてみたい」

という自分なりの考えを持つことが大切です。
さまざまな演奏に触れることで、視野がさらに広がっていきます

8. 本番を振り返る習慣をつけよう

録音や録画がある場合は、ぜひ後日あらためて聴いてみましょう。
本番だからこそ見えてくる課題や、自分では気づかなかった良さが見つかることがあります。
反省とは、自分を責めることではありません
次の成長につなげるために振り返ることです
良かったところは自信にし、課題だと感じたところは今後の目標にしていきましょう。


一回一回の経験を大切に積み重ねていくことが、長く音楽を楽しみ、成長していくための力になります。


第四条 保護者の皆さまへお願いしたいこと

コンクールやオーディションへの挑戦は、生徒さん本人の努力はもちろんのこと、ご家庭のご協力があってこそ成り立つものです。特に小学生のうちは、練習環境や日程管理など、多くの場面で保護者の皆さまの支えが必要になります。

だからこそ、この経験が生徒さんにとって実りあるものになるよう、ご家庭で意識していただきたいことをお伝えします。

1. ご家庭が一番の応援団でいてください

コンクールやオーディションは、どうしても結果が伴うため、合否や順位に目が向きがちです。
しかし、生徒さんにとって本当に大きな支えになるのは、

「結果に関わらず応援してもらえている」

という安心感です。

うまくいった時は一緒に喜び、悔しい結果だった時には努力の過程を認めてあげてください。
家族が変わらず応援してくれるという安心感は、次の挑戦への大きな力になります

2. 結果だけではなく過程にも目を向けてください

コンクールで賞をいただくことは素晴らしいことです。
しかし、本当の価値は本番当日だけではなく、そこへ向かうまでの努力の積み重ねにあります。

・以前より集中して練習できるようになった。
・自分で考えながら弾けるようになった。
・最後まで諦めず取り組めた。

そうした成長も、ぜひ認めてあげてください。
音楽を学ぶ目的は、賞を集めることではなく、人として成長することでもあると私は考えています。

3. 他のお子さんと比較しないでください

コンクールにはさまざまな環境で学んでいる生徒さんが参加しています。
年齢、経験年数、練習時間、家庭環境、楽器環境など、一人ひとり条件は異なります。

そのため、他のお子さんの結果だけを見て比較してしまうと、必要以上に不安になったり焦ったりしてしまうことがあります。
比べるべき相手は他人ではなく、過去の自分です。

ぜひ、お子さん自身の成長に目を向けていただければと思います。

4. 演奏に集中できる環境づくりをお願いします

本番が近づくと、多くの生徒さんは普段以上に緊張や不安を感じます。
思うように弾けなくなったり、些細なことで落ち込んだりすることもあるかもしれません。
それは決して特別なことではなく、真剣に取り組んでいる証でもあります。

保護者の皆さまには、結果を急がず、温かく見守っていただけますと幸いです。
安心できる環境は、本番で力を発揮するための大きな支えになります

5. 反抗期や停滞期も成長の一部です

成長の過程では、保護者の方の言葉がなかなか届かない時期もあります。
練習への取り組みが不安定になったり、自分を律することに苦労したりすることもあるでしょう。

しかし、そのような時期も決して無駄ではありません。
努力した時とそうでなかった時、それぞれの結果を自分自身で経験することで、子どもたちは少しずつ主体性を身につけていきます。
私を含め大人達が先回りしてすべてを解決するのではなく、時には見守ることも大切なサポートの一つだと考えています。

6. 楽器環境について

コンクールを目指す場合、学年が上がるにつれて、より繊細な音色や表現力が求められるようになります。
電子ピアノにも多くの利点がありますが、音の響きやタッチの変化、ペダリングなど、本格的な表現を学ぶ上では限界があることも事実です。

そのため、継続的にコンクールへ挑戦したい場合は、アップライトピアノ以上の楽器をご検討いただくことをおすすめしています。
もちろん、ご家庭の事情はさまざまですので、一律に考える必要はありません。
ご不安なことがありましたら、いつでもご相談ください。

ご家庭の状況に合わせて、一緒に考えていきたいと思っています。

7. すぐに結果が出なくても焦らないでください

コンクールの結果は、努力の量だけで決まるものではありません
課題曲との相性、その日のコンディション、審査員の視点など、さまざまな要素が関わります。
そのため、一度の結果だけで判断する必要はありません。

私自身も、思うような結果が出ない時期を経験してきました
だからこそ、長い目で成長を見守ることの大切さを実感しています
継続して努力を重ねることが、最終的には大きな力になります

8. 賞をいただいた時こそ謙虚な気持ちを大切に

賞をいただけた時は、ぜひ一緒に喜んであげてください。
その一方で、「上手だから偉い」「賞を取ったから特別」という考え方にならないよう見守っていただければと思います。

音楽は一生学び続けるものです。
長く成長し続ける人ほど、周囲への感謝や謙虚な姿勢を大切にしています。

のだみピアノ教室の生徒さんには、演奏技術だけでなく、人としても素敵な人に育ってほしいと願っています。

9. さまざまな演奏に触れる機会を大切にしてください

コンクール会場では、ぜひ他の参加者の演奏も聴いてみてください。
「誰が上手だったか」を比べるためではなく、さまざまな表現に触れ、視野を広げるためです。

自分の本番前は緊張して余裕がない場合もありますので、無理をする必要はありません。
本番後に少しでも他の演奏を聴くことができれば、それもまた貴重な学びになると思います。

コンクールやオーディションの舞台は、人生の中ではほんの数分の出来事かもしれません。


おわりに

しかし、その数分の舞台のために積み重ねた努力や経験は、これからの人生の中で大きな財産になります。
うまくいくこともあれば、思うような結果にならないこともあるでしょう。

それでも、一つの目標に向かって努力した経験、緊張と向き合った経験、音楽を深く学んだ経験は、決して無駄になることはありません。
どうか結果だけにとらわれず、「挑戦して良かった」と思える時間にしていただけたら嬉しく思います。

私も指導者として、生徒さん一人ひとりの成長を大切にしながら、全力でサポートしていきたいと思います。
音楽を通して技術だけでなく、人としても豊かに成長していけるよう、一緒に頑張っていきましょう。

皆さんの挑戦を心より応援しています。

のだみピアノ教室
野田知美

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