コンクール・オーディション参加の心構え

こんにちは。のだみピアノ教室の野田知美です。
今日はのだみ先生が実体験を通して学んできた、コンクール・オーディション参加の常識をお伝えしたいと思います。

幼少期から数えきれないほどコンクール・オーディションを経験しピアノを頑張ってきたのだみ先生ですが、高校までは仲間と情報を共有する機会もなく、両親とともにいろいろなことを手探りで模索してきました。
常識知らずで先生に対して失礼なことをしてしまい、叱られたことも・・・^^;
言い訳をすると、昔の先生方はいわゆるマナーをはっきりと言葉で教えてくださらないのです。。。
失敗して学ぶしかありませんでした^^;

マナーや常識は今も昔も変わらないですが、今は令和の時代。
やっぱり、教えてもらわないとわからないこともあると思い・・・
皆さんには、予めその内容を共有させていただこうと思います。
(言いにくいこともありますが・・・私なりの誠意として共有します)

これからお伝えすることは、のだみピアノ教室に在籍しているかどうかは関係なく、どの先生に習っても同じ。ピアノレスナーとその親御さんが知っていて損のない内容なので、ぜひ心に留めて実践していただけたらと思います。(地域によって差はあるかもしれませんが)

第一条 コンクール・オーディションに参加する意義や目的

  1. 目的1:レベルの高い環境に身をおき視野を広げるため
    賞や役を勝ち取って自慢するためではないですよ。
    【コンクール】課題曲がスムーズに弾けることが当たり前、上手な子が集まってくるところです。コンクールによっては課題曲が難しかったり曲数が多かったりすることも多いです。完成度の高い演奏が評価されます。本人の環境や課題曲の難易度は考慮されず平等に審査されます。
    【オーディション】大きな舞台(親御さんが参加できる卒業式などのイベント)は競争率が高まります。選ばれ方については学校の事情が考慮されることがあります。(男女比等…)
  2. 目的2:謙虚に自分と向き合い努力を重ねる練習
    賞を取れなければ出る意味がないのではなく、緊張感のなか良い演奏ができたら100点!評価もされたらラッキー
    もちろん優劣がつくのですが、はじめからそこに囚われていると良い結果にはなりません。コンクール上位の子は賞のことなど考えていないです。謙虚な姿勢でいれば、結果的にみんなに認められます。
    ちなみに、勝てそうな場には出るけど、勝てそうにない場に出たがらない子もたまにいますね。これは謙虚じゃない証拠です。そういう理由はのだみ先生は賛同できません。技術面でできるかどうかは、指導者が判断すること。
  3. 意義:技術面だけでなくメンタル面でも大きく成長できる
    演奏は時間芸術。緊張の中、その一瞬に集中し成果を出すには強い精神力が必要です。
    大人になってからあらゆる仕事の場面で役立つスキルです。

第二条 本人・親御さんともに、認識すべき常識

(1) 申し込み前

  1. コンクール・オーディションを受ける際は必ず指導者に相談する
    指導内容に関係するため必ず相談してから申し込みましょう。
    受けるものが自分のレベルに合っているかどうか・間に合うのかどうかも、独断で決めず一度指導者に相談しましょう。
  2. 上記↑は必ず保護者から申し出るようにしましょう(校内・校外問わず)
    コンクールやオーディションのための指導を依頼する際の礼儀です。また、日程や規定などを正確に把握するため保護者から申し出る必要があります。
    ※レッスンに影響のない範囲で受けるオーディションは、申告は不要です。
  3. 学校の伴奏オーディションの場合は先生用の楽譜を用意しお渡しする
    学校の合唱曲はどんどん新しいものが出てくるので、先生が知らない曲であることが多いためです。
    できれば製本もしたほうが丁寧ですね。製本の仕方は、こちらのページをご覧いただくか、お訪ねくださればレッスンで指導します。
  4. コンクールの課題曲の楽譜は自分で購入し用意する
    課題曲の楽譜は単体で売っていることは少なく、曲集の中の一曲であることが多いです。特にこども用の曲集は、コンクールで弾いた曲以外、残念ながら弾く機会がないことが多いです。コピーを第三者が使用することは著作権法で禁止されているので原則購入となります。←のだみ先生としても心苦しいですが・・・先生も気をつけないと。※尚、学校現場でのコピー譜の配布は、教育機関であるため許可されているようです。
  5. コンクール・オーディションにおける規定や日程等は、本人や保護者が主体的になって責任をもって把握する
    コンクール・オーディションはポピュラーなものであっても詳細は毎年変わっていきます。そのため指導者が詳細を把握しているわけではありません。また、小学生であっても本人に本番の日程を把握させてください。→本番の日を把握していない子もたまにいるけどダメだよ!
  6. 2人以上の先生に師事している場合:申し込み時に申告する先生を、どなたにするか失礼がないように気をつけて
    毎週レッスンを受けている先生のお名前を書かずに、月1回レッスンを受けている目上の先生のお名前を書いて、トラブルになった事例を見たことがあります。メインで教えていただいている先生のお名前を書くようにしましょう。

(2) コンクール期間

  1. 指導者に対する感謝の気持ち・礼儀を忘れない
    コンクール・オーディションを受けるということはそれだけ上達意欲があり素晴らしいことなので、ほとんどの指導者は快く指導してくれます。ただし、指導者がレッスン外の時間(無報酬)で課題曲の作品研究をした上で指導していることを忘れいようにしましょう。
    また、大半のコンクールには指導者の名前の記入欄がある。それが何を意味するか、コンテスタントが理解する必要があります。→コンクールで変なことをしたら先生にバレるし、先生の印象を下げることになるから気をつけよう!
  2. コンクール主催からの詳細案内・出演順などが分かった時点で連絡する
    コンクールの詳細案内は指導者に連絡がいかない場合がほとんどです。指導者が聴きに来てくれるかどうかは指導者の都合次第ですが、それ以外にも伝えるメリットはあります。連絡が直前にならないように注意。
  3. レッスンが足りないと感じた時は、追加のレッスンをお願いしても良い
    忙しい先生でも先生の都合を伺って追加レッスン(金額は尋ねる)をお願いすれば、大抵の先生は快く受けてくださいます。ただし、練習してあることが条件(当たり前ですが…) →もちろん先生と都合が合わない場合もあるけどその時は仕方ないので自分で最大限の努力をしよう。
  4. レッスンの録画・録音はおすすめ。ただし許可を取った上で行う
    レッスンの録画・録音は家での復習に役立ちます。勝手取るのはNGですが、許可を取れば大抵の先生はOKしてくれるはずです。また使用目的は復習に限り、SNS投稿・第三者への送付もNGです。→これはバレたら破門・・・!
  5. 先生の見本演奏動画の送付およびその場での通し演奏を無報酬で依頼するのはNG
    日頃から報酬をもらって演奏をしているピアニストの先生へ対し、無報酬で見本演奏動画を送付依頼したり、その場で最初から最後まで通し演奏を依頼するのは失礼に当たります。(録音の仕事の場合は録音用の料金が存在したり、レパートリーにない曲を依頼する際にもその料金が発生するのが業界常識)
    どうしても依頼したい場合は、可能かどうかと金額(高額を覚悟する)を尋ねましょう。→そのくらいタブーです
    先生の方から送ってくださった場合は感謝しましょう。

(3) 本番前後

  1. 会場では、他のコンテスタントの迷惑にならないよう品格ある振る舞いを
    ルール(撮影禁止など)はコンクールによって異なるため、その都度確認しルールに従いましょう。
    →あまり大きな声では言えませんが振り返りのために自分のための録音は暗黙の了解だと思います。ただしこそっと。また、他の人の演奏を許可なく録音するのはNGです。
  2. 本番は他のコンテスタントの演奏も聴いて勉強する
    優劣を比較するのではなく、”みんなちがってみんないい”の気持ちで。
    素敵だなと思ったところは取り入れたり、”私だったらこう弾くな”と自分なりの意見を持つことが大事です。
    いろいろな演奏に出会い、視野を広げましょう。
  3. コンクール・オーディションに指導者が聴きにきてくれることは当たり前のことではないことを認識する
    時間を作って聴きにきてくださった場合は感謝の気持ちを持ちましょう。
  4. 必ずコンクール・オーディション当日中に指導者に報告・反省と共に指導に対してお礼の連絡をする
    結果発表が後日になる場合でも、ひとまず演奏の感想・反省などと共にお礼の連絡をしましょう。後日の結果はもちろん連絡してください。また、運営から受け取った全ての物をまず写真で共有ください。
    【例:案内の書類、講評用紙や点数票、賞状・トロフィー・メダル…etc. 当日の記念写真も嬉しいです♪】
  5. コンクールで思いがけず次のステージに進めることになった場合は、時間がないことが多い
    一刻も早く課題曲を決めて練習を始めたいところです。速やかに先生に相談しましょう。
    やむを得ず辞退する場合も独断で決めて宣言するのではなく、意見と許可を請いましょう。→次のステージに進むことができたのは生徒だけの力ではないからです


第三条 本人の心構え

  1. 本番までは貪欲に、演奏をもっとよくしよう!という気持ちで練習する
  2. 先生に言われたことを全てできるようにすることは当たり前
    そこから先、オンリーワンの演奏ができた人が評価されます
  3. 本番の日は、賞をとりたい!と思わず、理想の演奏をすることに集中する
    →経験上、賞を狙った時は取れません。理想の演奏をすれば、賞がついてくる!
  4. 賞が取れたとしても、たまたまだと思うこと
  5. 演奏前に他の人を気にしすぎない
    演奏に集中ができない原因になります。上手な人は周りなんて気にしていません。
  6. コンクールは自分が成長のために受けるものである
  7. 上手くいかなくても、自分以外のせいにしない
    上手くいかなかったとしても先生のせいでもなく、家族のせいでもなく、ピアノのせいでもなく、会場のせいでもなく・・・・みんなわざわざ言わないけど、きっとあなたより悪いコンディションでも頑張っている人はたくさんいます。だからこそ、どんなことがあっても、動じない演奏ができるように練習を重ねるのです。
  8. 他の子の演奏も聴いて勉強する
    上手な子ばかりが集まっているコンクールでいろいろな感想を持つことが大事です。
  9. 録音や録画があれば、自分の演奏を改めて聴いて本番を振り返る
    自分が緊張するとどうなるか等、次はさらに良い演奏ができるように反省会(悪かったという意味ではなく)をする。
    上手くできたところは自信を持ち、課題だと感じたところは今後意識していきましょう。

第四条 親御さんにしていただきたいサポート

  1. その1 の内容を理解し日頃から意識する
    子どもたちは親御さんの言葉や考え方に大きく影響を受けます。
  2. その2 の内容をお子さんと共有する
  3. 些細なミスに拘らない
    ミスはない方がもちろん良いですが、それよりも音楽全体の完成度に目を向けましょう。
  4. たとえ賞が取れなくても、家族が一番のファンであると伝える
    頑張ったのに賞が取れなかった時は、本人もがっかりしているので叱らないでください。
    失敗をしても家族だけはファンでいてくれることが、本人の励みになります。
  5. 反抗期は色々難しいが、それも一つの経験
    →親御さんの言うことを聞けなかったり、自分を律するのに苦労する時期もあります。それも含め、大事な経験。練習はみんな嫌いです。努力と怠惰、それぞれの結果を本人が実体験をもって理解し、自分の心の底から結果を出したいという気持ちが湧き起こった時、大きく成長できると思います。
  6. 演奏に集中できる環境づくり
    本番前は緊張でナーバスになります。ご理解いただけると助かります。(経験談^^;)
  7. 小学生以上になると電子ピアノでは対応できなくなることをご理解ください
    年齢が上がるにつれ課題曲も難しくなります。ただ音を並べて弾くだけなら電子ピアノでもなんとかなるかもしれませんが、コンクールではすべての音に繊細なニュアンス表現を求められ電子ピアノでは再現が難しくなります。コンクールに出たい子は最低限アップライトピアノをご用意ください。また、中学生以上になるとグランドピアノで練習している子が多くなることもご承知おきください。→ピアノについてはいろいろなご提案ができますのでご相談くださいね。
  8. 賞が取れなくてもすぐに諦めない
    賞はすぐには取れません。親御さんも、よその子の実績と比較してネガティブにならないようにしてください。
    →のだみ先生にもなかなか賞が取れない時期はありました。
  9. 賞が取れたとしても、たまたまだと思う
    賞が取れても、謙虚な姿勢でいるようにお子さんに指導してください。
    →のだみピアノ教室の生徒さんは人格も素敵であって欲しいです♪ 上手な子ほど謙虚なんですよ。
  10. 子どもは「勝てそうな場は出るが、勝てなさそうだと挑戦したがらない」ことがあります
    冒頭にも書きましたが、これはつまり悪いプライドであり、謙虚な姿勢とは言えないです。この理由で辞退したり挑戦しないはのだみ先生は賛同できません。成長できない考え方なので、メンタル面の指導をお願いします。
  11. 他の子の演奏をできるだけ聴かせるようにしてください。
    優劣で比較するのではなく、いろいろな演奏に触れて視野を広げましょう。
    ただし自分の本番後で大丈夫です。演奏前は、緊張で余裕がないかもしれないので無理はしなくてOK。

第五条 その他

  1. 親御さんの服装
    発表会同様、カジュアルすぎる服装は控えてください。
    特にステージで足台などをセッティングする方は、ジーパン・スニーカーはやめてくださいね。
  2. コンテスタントの衣装
    発表会と同様でOKです。または発表会より少し落ち着いた衣装のイメージです。
    発表会の衣装の参考記事は
    【女性】こちら
    【男性】こちら
  3. 舞台袖への持ち物
    手袋やカイロなど防寒対策(冬)
    ドレスの上に着るカーディガン(女子)
    ★楽譜(暗譜しているからといって持っていかないのは❌)
  4. 舞台袖に持って行った方が便利な物
    ★ボイスレコーダー (演奏振り返りのため)
    飲み物
    ★直前まで演奏を聴けるもの (絶対ではないですが、私は舞台袖で出番の直前まで自分の演奏を聴きながらイメージトレーニングしていました。同じような子は多くいます)
    ★本番用のハンカチ (手汗を拭く用→のだみ先生は手洗い用とは分けています)
    ★爪切り (滅多にないですが、万が一直前で爪が折れたり破れたりしたとき、爪切りがないとかなりメンタルに来ます;;)

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頑張るみんなを応援しています!

2025年1月 のだみ先生

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